横浜に住み始めて16年になるが、レンタルビデオ店が近くに複数件あり、夜遅くよく借りに行ったものである。その中でも特によく通ったレンタルビデオ店は、昨年まで粘っていたが、遂に店じまいしてしまった。理由は明らかにTUTAYAである。最後は、DVDもCDもTUTAYAの半額で貸しだしていて、借りる方としてはありがたかったが、人もまばらな店内にいると、いかにも苦しいと感じた。(x_x;)
ハーバード大学院のマイケル・ポーターのお弟子さんで、アニタ・M・マクガーハンが、産業により進化が異なるといった論文を発表し、日本でも本も発売された。小売店は、漸進的な進化を遂げ、大型化・多店舗化していったウォールマートの例を取り上げて、多店舗かして方が有利に働くと整理しているが、TUTAYAを見ていると、レンタルビデオ店でも同じであると感じる。
TUTAYAの借り手から見た基本的価値は、圧倒的な品揃えと広々とした駐車場だ。少し足を伸ばしてでも、TUTAYAに行くと大抵の借りたいものはあるし、本屋やコンビニ、レストランといった複合施設になっているところも多く、他の楽しみもある。(o^-')b
しかし、TUTAYAの強さは店舗数だけではなくて、本当にあの手この手だ。マーケティングにシステムの要素を加えて、これでもかこれでもか!という感じである。少しうるさい位、毎日、個人の携帯に配信が入る。キャンペーン時には携帯からダウンロードして店頭で表示を見せると、新作も含めて5本1000円で借りることができる。牛角や他の企業とタイアッププロモーションで1,000円券をつけたり。テレビでさかんにCMで放映していたが、借りてきて郵便ポストで返却するサービスと、次から次へと投入してくる。これでは、地元のちょっとした規模の中小ビデオレンタル店では、到底太刀打ちができない。(ノ´▽`)ノ
サービスを考えるとき、一つだけの柱では弱い。2つ3つと積み重ねていくことにより、競合を圧倒し簡単には追いつけなくなるのである。それにして、この10年間のTUTAYAの展開は早かった。近所の中小レンタルビデオ店でも、潰れていないのは、アダルトに特化したところだけだ。こうした状況を見ていると、それぞれの状況に合った戦い方をしなければならないと、戦略の本を読まなくても実感する。
次に、TUTAYAがどんなサービスを投入してくるかは、楽しみだね。(=⌒▽⌒=)
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