経営戦略を策定するときも、マーケティング戦略を立案する際も、どこまで細かくやるかはあるが、外せないのは業界構造分析である。古くは、ロスチャイルドが、マクロ環境ミクロ環境を更に切り口にして、環境を洗い出す切り口にした。また、マイケルポーターの、ファイブフォース(同業、買い手、売り手、新規参入、代替品)といった観点から、ミクロ環境を整理するの使われる。
いずれにしても、自分自身がビジネスが、置かれている環境について確認することは重要だ。どこで魚釣りをしていているのかは、当然、考えなければならない。
上記のような環境把握に加えて、アドバンテージマトリックスといった分析をすることがある。多くの戦略に関する書籍に紹介されている考え方であるが、自社のお客様との関係で考えてみたい。o(^▽^)o
アドバンテージマトリックスとは、
縦軸に、競争要因が 多 少 横軸に、競争優位性構築の可能性が 大 小 をとる。
競争要因 多 競争優位性 小 は、分散事業 例)飲食店、個人小売店 等
競争要因 少 競争優位性 小 は、手詰まり事業 例)銀行、建設業、石油、スーパー 等
競争要因 多 競争優位性 大 は、特化事業 例)特定の分野で大きな優位性を築いている企業群
競争要因 少 競争優位性 大 は、規模事業 例)規模が大きいほど高収益となる事業 自動車 等
以上の中で、自社が置かれているのは、どんなタイプの事業になるのだろうか?
上記のどこに属しているかで、戦い方が異なる。例えば、街にはたくさんの飲食店が点在するが、それをレストランチェーン化することにより、規模事業にポジションを変えることができる。すかいらーくは、セントラルキッチンと、食材等の大量仕入れで、規模の経済が働くモデルであるファミリーレストランを確立し、更に、業態を絞り込み藍屋、ジョナサン、ガストと特化事業的に展開した。ラーメン屋で分散事業から、規模事業に持ち込んだのが、幸楽苑だ。ラーメン屋は、東京では800円~1000円するが、ファミレス同様に工場で大量生産することで、290円といった価格をつけ多店舗展開させた。
建設業界は、手詰まり事業に分類されるが、中小建設業が引きめきあう分散事業であるともいえる。以前、財務的な観点からアドバンテージマトリックスにおける分類で、実際の企業を当てはめて検討したことがあるが、大手ゼネコンのような大きなところと、特化しているところ以外は、ほとんど利益が出ていないことがわかった。とすれば、多くの建設業は、特化戦略を考えなくてはならない。自転車のシマノ、日東工業、ドラックストアーのコスモス 他 特定の市場に特化している戦略をとっている。
冒頭の問題提起に戻ってみると、多くの分散型や手詰まり型の事業で、3C(自社、競合、顧客)でいう競合をどの位意識するかである。もちろん、競争相手があるわけであるから分析してみる価値がある。しかし、それよりも重要なのは、お客様のことをしっかり考えて、どのような価値を提供できるかを徹底的に考えるべきである。1970年代~1980年代では、競争戦略が全盛であったが、成熟期を迎え、パイが固定している。あるいは、シュリンクしていることが前提であったと思う。しかし、サービスも含めて様々なお客様に価値を創造することになれば、限られたパイの中のシェアとは異なる競争になる。一部の寡占化された業界では、シェアは当然、重要である。アドバンテージマトッリクスで言うと、規模事業である。
以上を整理すると、今の企業競争は、競争相手の分析の重要だが、お客様のことを徹底的に考える必要があると思う。並列的に環境分析するよりも、どんな環境要因に重点考えるかが重要であると思う。 (=⌒▽⌒=)
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