サービスの特質によって、Process(サービス提供プロセス)、Physical evidence(物的環境要素)、Peple(サービス提供者)の3つのPを加えて7Pと言われると昨日のブログに書きましたが、最も重要視されるProcess(サービス提供プロセス)について整理したいと思います。
サービス提供プロセスを正確性よりもわかりやすさを優先して説明すると、「理容店に行きカットがうまかった」だけでなく、「1時間快適に過ごせた」といったプロセスのことを言う。カットはうまいが、待ち時間が長すぎたり、店主の応対が悪かったり、椅子の座り心地が悪かったりでは、当然満足されない。
先輩が実際に、サービス提供プロセスのお手伝いした某住宅メーカーの事例をご紹介すると、
住宅の購入を考えている人は、住宅展示場に足を運び見る各ハウスメーカーのモデルハウスを見学する人多い。当然、住宅は、一生に一度又は、二度のお買いものなので、いきなりスーパーで野菜を買い物かごに放り込むような買い方は誰しもしない。何度も、住宅展示場に足を運び、営業マンからの説明を聞きというように慎重に検討するのが当然だ。住宅メーカーの方も、チラシを出して展示場に誘引して、アンケートに記入してもらって景品を渡したり、来場されたお客様にご了解を得て、営業マンが訪問するといった長期のプロセスを想定している。
その長いサービス提供プロセスの中でも、住宅展示場でのプロセスは重要だ。そこで、来場されたお客様に顧客満足度調査を行った。
一見、当たり前のように思えるが、顧客満足度調査から抽出された期待の主なものは以下の通りだ。
1.二世帯住宅が見たい。(長男で同居することになったので・・)
2.バリヤフリーの住宅が見たい。(親の介護をしているので・・)
3.音楽などの趣味が自由にできる住宅が見たい。(娘がピアノを習っているので・・)
4.ペットを飼うことがことができる住宅が見たい。(今まで、マンションでペット禁止だったので・・)
ところが、どこの展示場へ行っても全く標準的なタイプばかりで、上記のようなものが見学できないのである。
実は、こうしたことは、ある程度、以前から分かっていたが、できない理由があった。エリア毎に営業責任者の支店長がいて、その評価は売上だからである。「ペットをテーマとした住宅のニーズのお客様がそんなにいるのか?内のエリアの売上が落ちてしまうので、バリヤフリーにしてほしい!」といったように、内部の利害関係がからんでしまう。
しかし、そんなことを言っても始まらないので、思い切って同一標準展示場でのご案内から、エリア毎に違ったコンセプトのモデル住宅を作り、サービス提供プロセスを変えてしまった。
具体的には、お客様とのやり取りの中で、他のニーズが確認された場合は、
「それでしたら、30分車で御移動いただきますと、バリアフリーの住宅がご覧になれますが、どうぞご案内します」というような案内にした。
すると、当然であるが、お客様の期待に応えることができお客様満足も上がり結果として売上も向上した。
この例は、比較的大きなサービス提供プロセスのリデザイン(再設計)であるが、日常のちょっとしたことでも、サービス提供プロセスが見直せないかを考えていると、改善・改革のヒントが出てくる。
モノのデザインだけでなく、サービスのデザインも必要だ。特に、一度、出来上がってしまったデザインは、知らず知らずの内に当たり前になってしまって見直されることが少なくなる。
絶えず、サービス提供プロセスが、お客様が満足されるものになっているかどうか?
まさに「サービスのリデザイン(再設計)」を考えることは重要だと思う。(=⌒▽⌒=)
仕組み革新の時代―新しいマーケティング・パラダイムを求めて | |
![]() | 嶋口 充輝 おすすめ平均 ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() Amazonで詳しく見る by G-Tools |