時折、横浜中華街に無性に行きたくなる。横浜に来てから、早20年以上になる。基本的には昔の風景と大きくは変わらないが、お店がかなり入れ替わっている。特に、中華街に入る門のところが、某牛丼チェーンになってしまったのは、なんとなく寂しい。某牛丼チェーンが嫌いなわけではないが、中華街の門のところには、中華のお店があったらいいな~といった気分である。
中華街のメイン通りを歩いても、大きく変わっていた。同発別館では、生バンドで音楽を楽しみながら食事ができたので昔はよくいったが、昨日通ってみると、「建物の老朽化のため、閉鎖」と書いてある。時代の流れを感じる。
その中で、良く目立つのが5年程前から、世界チャンピオンの肉まんで知られる皇朝だ。中華街の数か所、目立つところに店舗を構え、世界チャンピオンと大きく書かれた看板と4人に料理人の写真が目を引く。まだ、小学校1年生の娘が、食べたいというので、いくつか買ってみたが、甘団子が入った肉まんといった感じで、確かにうまいが、世界チャンピオン!と言われると??である。
確か、少し前まで、世界一とあったが、世界チャンピオンに変わっている。いずれにしても、味覚は、人それぞれであるので、世界チャンピオンと言われても、論理的ではないことは明白だ。しかし、人は、論理で消費を行うのではなく、感情の部分が大きい。とくに、値段が安いものは、こうした空気を創りだすことが以外と重要だ。楽天やヤフーのネットショッピングでも、皇朝の肉まんやコロッケその他を販売しているが、かなり売れていて、いつも売上上位に位置づけられている。
皇朝もそうだが、特に、楽天で売れている上位の店舗の上位のサイトを見てみると、ほとんどが「あおり系」である。そして、メルマガを登録すると、プッシュ・プッシュで、毎日、店舗によっては、数時間に1度の割合で、あおり系のメルマガが送られてくる。
MBAで教わるようなマーケティングは、刺激型マーケティングは、高度成長期のもので、成熟期の現在は通用しない!といった印象を受けるが、実際は、あおり系が売れている現実を考えると、マーケティングの考え方が、移り変わったのではなく、川幅が拡がったのだといったことが、実感できる。
ちなみに、ネットで、皇朝の評判を見てみると、2つに分かれている。そして、悪い評価も結構多い。となると、5年間で急成長してきたが、どの位、この世界チャンピオンといった訴求が続くだろうか?とも考えてしまう。流行は、必ず、前の流行を打ち消すように動く。「皇朝の肉まんは、大してうまくないな~」といった空気が流れたら、そのした口コミは広がっていく。そして、ネット社会では、口コミが伝わるのも早いため、ブームになるのも早いが、去るのも早い。
それにしても、やたら、中華街のメイン通りが、食べ放題で2480円、3980円といった看板を出す店が多くなったのは、不況のせいだろうか?皇朝が大きな看板を出してから、こうした店が多くなったと感じるのは、気のせいだろうか?
いずれにしても、安く美味しいものが食べられるのはいいことだが、年齢的にも落ち着いて食べたい年になった私とカミサンは、少し人通りとは外れた時折食べに行く、落ち着ける店で食事をして帰りました。
(=⌒▽⌒=)
![]() | プロモーション・マーケティング (DO BOOKS―マーケティング・ベーシック・セレクション・シリーズ) 山口正浩 編著 同文館出版 2010-01-08 売り上げランキング : 25647 Amazonで詳しく見る by G-Tools |